美しの塔は、1954年(昭和29年)に、濃い霧の中で遭難した登山者が避難をするために建てられた物です。
美ヶ原は霧が濃く、遭難者が多く出たので、遭難した時の避難塔とて、わかりやすく美ヶ原の中心になる場所に建てられたそうです。
建立の時は、資材は三城牧場の方から背負ってあげて、水は山本小屋から天秤棒という桶を棒に掛けて運ぶ道具で運んで、たいへんな工事のようだった記録があるそうです。
避難した時にならすように「霧鐘」と呼ばれる鐘も取り付けたそうで、今では観光客の方が鳴らしてます。
1983年(昭和58年)に改築され、特産の鉄平石を使い、高さ 6m、詩人尾崎喜八の詩「美ガ原溶岩台地」の歌碑と山本小屋と登山道を整備した功労者「山本俊一翁」のレリーフがあります。
美ヶ原 開山祭
毎年、4月25日に美しの塔の前で、安全を祈願して開山祭がおこなわれます。
観光関係(宿泊業・観光業)の業者さんと行政の方などが参加するようで、神事などがおこなわれた後、アトラクションや各種イベントなどがおこなわれるようで、見学に行くのも良いかと思います。
開山祭は、1960年(昭和35年)に美ヶ原観光連盟が発足してから始まったようで、当時は毎年5月第三日曜日におこなわれていたようです。
開山祭がおこなわれる前は、山本小屋と王ヶ頭高原荘(現 王ヶ頭ホテル)が交代で安全を祈る行事をおこなっていたようです。
美しの塔へのアクセス
美しの塔の一番近い駐車場は、山本小屋ふるさと館駐車場です。
山本小屋ふるさと館駐車場からは、徒歩で約10分程で、遊歩道がきれいに整備されてますので、スニーカーや運動靴などでしたら大丈夫ですが、パンプスや革靴では無理なので、ご注意ください。
山本小屋ふるさと館駐車場の先に、自動車が往来する道路がありますが、許可された自動車と「美ヶ原高原ホテル山本小屋」に宿泊をする人しか通行できませんので注意してください。
冬季も、スノーシューなどで美しの塔へ行く事ができますが、ビーナスラインと美ヶ原林道が通行止めになるので、長和町から県道178号美ヶ原和田線を利用する様になりますが、スタッドレスタイヤを装着するかチェーンを携行するなど、滑り止めの準備をして行かないとたいへん危険です。
ご案内
美しの塔は、星空の撮影スポットとしてたいへん人気の場所です。
その為、夜間から早朝にも訪れる方が多く、撮影をしているカメラマンも多くいます。
その為、懐中電灯を照らしたまま美しの塔に行くと、ライトの明かりが映り込んで迷惑になるそうです。
撮影をしている人に聞いたら、歩いてくる時も線のように映り込んだり、ライトで照らされた一部だけ明るくなって、せっかく撮影した写真がダメになることもあるそうです。
夜間に美しの塔を訪れる予定のある方はご注意ください。